投稿日:2009-01-09 Fri
7日の共同通信の記事で,90歳の母親が61歳の娘を承諾殺人の罪で書類送検されたと出ていた。このニュース,どこのテレビ局も取り上げていなかったのではないだろうか。また新聞記事でも見ていない。ネットで掲載されていただけだ。本来はこのニュース,とても大事なニュースであり,もっと大々的に取り上げるべきニュースだと思う。なのに今は雇用問題のニュースが先行して,取り上げられないのだろうか。
90歳の母親が一人で娘を介護していたようだ。一応制度を受けていたようだが,食事や入浴の世話は,母親がしていたようだ。この逆は良くあるが,今回のパターンは辛い。「高齢になり面倒が見切れないと悲観した」と言う事だ。娘に一緒に死のうと言って,自分は死にきれなかった。
しかしこの母親を誰が責められようか。
介護は若い人でもしんどい。まして体力のない90歳の母親が介護をしているのだ。もしここで自分が先に死んだら,この娘の面倒は誰がするのかと思うと,将来を悲観するのは良く解る。
これが日本の現状だ。景気が悪いのはお金が世の中に流通しないからだと先般のブログで書いた。国民誰しもが,将来の心配をして貯蓄をしている。しかし幾ら貯蓄をしても,それでも不安なのだ。今回の定額給付金も,貧困者救済のはずが,その枠を取り払って全員に配布すると言っている。そして貰った人は使えと言う。自民党のお偉いさんも,貰ったら美味しいもの食べると言っていた。定額給付金を貰って,それをお年玉として使えるのは金持ちだけだ。何故なら,その金があろうが無かろうが自分の生活には影響しないからだ。そう言う人は定額給付金を貰ったらフロッグとして使うだろう。
しかし我々庶民は,その貰った金は生活費に消えるか貯蓄に回るに決まっている。私は毎日の食費の数回分が浮いたな,と言う感覚しかない。
だから総理が言うほど,経済効果は上がらないと思うが。
もし先述の家族に,十分な蓄えがあれば,また社会保障制度が整っていれば,この娘は十分な介護を受けられたはずだ。母親も苦労せずにすんだだろう。
社会保障制度を充実させる為に消費税をアップするような事を言っているが,絶対に無理である。もしそれが出来るのであれば,3%の消費税を導入した時点から,その動きがあってしかるべきだ。導入前に言われていた事が出来ていれば,今時分は,我が日本は,素晴らしい社会福祉国家になっていただろう。それどころか,高齢者にとっては益々住み難い,生きに難い社会になってしまっている。年金すら貰えない異常な社会なのである。
こんな先行き不安な国の無策政策で,どうして景気が良くなるだろうか。
と言って政治に対しての不平不満を言っても仕方がない。言って何とかなるものなら,1年中文句を言っていれば良い。
富国があって国民が富むのではない。国民一人一人が富んでこそ,国が富むのだ。労働者一人一人が稼いで生活にゆとりが出て,初めて企業にも国にもゆとりが出来る。今はあまりにも企業存続に重きを置きすぎている。企業の考え方は,「会社あっての社員」と言う事だ。そうじゃない。労働者がいなくなれば,一体誰がモノを生産するのだ。生活するのに精一杯で疲弊している社員が,新しい物作りが出来るだろうか。将来に希望を持って頑張れるだろうか。いつ首を切られるか解らないと不安な毎日を送りながら仕事をしている社員ばかりの企業で,どうしてその企業の業績が上がるだろうか。
経済成長ばかりに目を向け,国民の社会保障制度を顧みず,ないがしろにしてきたツケが,今来ているのである。国民の将来の不安さえ除けば,景気は回復するのだ。あまりにも税金の無駄遣いが多すぎる。そして金がなくなれば税金を上げればよいと言う単純な発想をする。
国会議員は,将来,老老介護の心配は要らないだろう。金もあるし充分だろう。そう言う国会議員を選んで,その議員の生活保障をしているのは国民だ。組織選挙をして,人から頼まれたからと中身も理解せずに投票するからこう言う事になる。一番悪いのは「誰がなっても一緒」と言う事で棄権をする国民だ。今回,解雇された若い人達は,殆ど選挙なんて行っていないだろう。だから自分達が困る国になったのだ。
これからまだまだ介護にまつわる事件は多くなるだろう。特に男性が介護者になる場合,最悪,悲惨な結果が待っている。男性介護は,ストレスを発散する場もないし,変なプライドもあるから相談もしない。自分で自分の首を絞めて行くようなものだ。
介護の為に仕事も辞めなければならない。そうなると生活にも困る。こんな社会でどうする。一人の人間を大事にしない国家なんて,潰れるに決まっている。
今国民一人一人が,大切にされているだろうか。
先ずはそこからの見直しが必要なのではないだろうか。
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